道北日報ヘッドライン
士別市長・市議会議員補欠選挙立候補者   田苅子進市長に聞く   市議補選2候補に聞く

 その2 2002.5.15  →その1

6月めどに市町村合併検討委設置
道立スポーツセンター誘致「今年が正念場」

 無投票で2期目の再選を果たした田苅子進市長(64)。過疎の進行、市内経済の低迷、財政の健全化と、今後の任期においても、解決すべき課題は山積している。21世紀の士別市の方向性を定めていくうえで、これからの4年間はその基盤づくりのために重要な時期となるだろう。1期4年間の経験を踏まえ、今後のまちづくりの舵取りに、どのような展望を描いているのか、再選を果たした田苅子市長に話しを聞いてみた。
 ◆市町村合併についての考えは

 市町村合併の基本は、「自治体の主体性」と「住民の合意」によって自主的に進められるべきもの。住民にとって住みやすく、健康で豊かに生涯ここで住んでいいと思えるまちづくりであり、合併が住民にとってどのようなメリットがあるのか、夢と希望を住民に抱かせる具体的な構想を、目に見える形で提示しなければならない。そのためにも本市が抱える行財政の現状や分析結果など、情報を積極的に公開し、相互の緊密な信頼関係のもとで、新しい可能性や方向性について「自己決定」が可能となるような環境の醸成を図ることが重要。
 当面は、本市の将来像をシュミレーションすることを目的に、課長職を委員とする「研究検討委員会」を6月をめどに庁内に設置し、あわせてこれからの内容を広報等で広く市民に情報提供していきたい。
 また、近隣3町においては、北海道町村会の主導でシュミレーション作業に着手していることから、具体的な方向性が示されてくると考えられる。こうした同校を注視しながら、広域的な行政のあり方などの論議を深める必要性はあると認識しており、周辺自治体との協議の場を設けていきたい。

 ◆財政の健全化は

 経済の低迷や国の構造改革によって、地方交付税が大幅に削減されるなど、地方財政はますます窮地に追いやられている。財政基盤の脆弱な本市にとってもその影響は計りしれないものと予想され、市税や地方交付税の確保は今後も極めて厳しい見込みにある。
 そのため、今年度中に第2次財政健全化計画を策定し、継続して効率的な行財政の推進につとめていかなければならない。

 ◆市立病院の今後の運営について

 公的病院として地域の医療を守るため不採算部門(小児科・精神科)の運営も不可欠。また、圏域人口の減少、少子・高齢者社会で患者数の増加も限界に近い状況にあり、加えて診療報酬の引き下げにより経営状況は厳しい状況にある。
 ただ、約1億8000万円あった不良債務額も、01年度で約1億1000万円を解消し、7000万円までに解消できる見通しにある。療養型病床の検討については、これまでの議会での議論を踏まえ、遅くとも今年中にはその方向性を示したい。

 ◆今後計画している公共事業は

 今年度の公共事業は継続事業を中心に予算措置を図っているが、新規事業として北部団地1棟20戸の建設が着工となる。河川防災ステーションは、04年度から建物の建設工事が始まる。
 浴場を備えた中心市街地交流施設整備事業の予算措置を6月の市議会定例会に提案し、2カ年事業となるが浴場は今年度中に完成させたい。
 また、新しい施設を作る時代ではなく、既存の施設をどのように活用していくかについても、充分に検討していきたい。
 このほか、士別中学校、図書館、日向温泉などの重要な事業も山積しており、市の財政事情や国の補助金の確保などの見通しに立って、早期実現に向け最善の努力をしていく。

 ◆道立総合スポーツセンターの誘致は

 釧路市や石狩市、さらには北見市、帯広市が誘致を進めているが、士別市としても誘致運動を優位に進めるため、昨年はこれまでの運動から踏み込んだ提案型に切り替えて要請を行った。
 順天堂大学とのつながり、スポーツ健康医科学、スポーツと地域との深い関わりを訴えていきたい。
 今年は道が各要望市において具体的な調査を行うことにしているが、士別市としては合宿の里づくりで長年培ってきた人脈を全国に持っている。
 士別市が最終的な候補地となるよう、今年がその正念場と思い期成会あげて強力な運動を展開していく。

 ◆ラブ士別・バイ士別運動の取り組みは

 単なる消費拡大だけでなく、この運動を通して人をつくり、人を育て、人の和を大切にする推進運動として認識している。
 急がずとも着実に成果が出るような、息の長い運動として今後も積極的な推進を図ってすそ野を広げていくよう取り組んでいく。これぞまさしく私が期待する「協働・参加型」のまちづくり。自分たちが暮らす街を少しでも良くしたい、そのためには自分たちで何が出来るのだろう、これだと思ったら行動する。こうした一連の動きによるまちづくりこそ、協働・参加型の実践だと思う。